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写真AC:ギフティング(投げ銭)の導入は吉と出るか

写真AC:ギフティング(投げ銭)の導入は吉と出るか

写真ACをご利用の皆様は既にご存知かつ興味関心があるのではないかと思いますが、11月1日からギフティング(投げ銭)の導入がスタートするようです。中国のライブストリーミング配信業界におけるギフティングが、大盛り上がりしているという情報は、ときおり見かけたような記憶があります。

写真ACにおけるギフティングには、成功に結び付くパターンがふたつ出てきそうだと考えています。

 

「応援」=目的としてのギフティング

パターンのひとつは、ライブストリーミングでのギフティングと同じような性質の個人を「応援」するギフティングです。ここでいう応援は例えばAKBの推しメンの応援に近いものです。AKBのビジネスモデルがキャバクラに例えられることは多いですが、キャバ嬢に注ぎ込むような意味での「応援」であり、下心はあるにせよ応援するという行為自体が特異な価値を持つタイプです。写真ACの投稿者さんの中にもモデル等の活動をされている方がいらっしゃるようですから、本人がどのような考え方をしているかに関わらず、ギフティングの恩恵は大きなものになると予想します。

写真ACの公式でグラドルさんやコスプレイヤーさんのコーナーを用意していますが、アマチュアさんでも参入しやすいように、将来のギフティング導入を見越して仕掛けていたのなら、なかなかの深謀遠慮だと思います。ただしこの路線が成功してしまうと、写真ACのユーザー層や性質がまるで別のものになる可能性もあり、個人的にはあまり好ましくないです。

 

「寄付」=手段としてのギフティング

もうひとつのギフティングの可能性は、寄付型のクラウドファンディング的な路線だと見ています。ご存じの方も多いかと思いますが、日本には寄付文化はないとかなんとか言われていた割に、クラウドファンディングをビジネス化している会社がいくつもある状況です。

ビジネス化したクラウドファンディングでは、おおむね出資者へ何らかの見返りを提供する形式をとっています。たとえば農地を復旧したいという企画であれば、農地復旧のあかつきには農作物を提供してもらえるとか、よりビジネスライクな例であればグッズ作成資金をクラウドファンディングで集めて、見返りにグッズを提供するという感じになりますね。こうなると資金の流れこそ違いますが一般的な売買に近くなります。

写真ACではクリエイターに「撮影依頼」ができますから、たとえば撮影が難しい場所であったり撮影困難な対象物(珍しい動植物など)に関する撮影依頼をしたときに寄付型のギフティングが介在可能だと思います。

たとえば「シマエナガ」の写真を撮影して!と依頼したとしても北海道以外での撮影は難しいはずです。それでも特定のフォトグラファーへ撮影依頼したい人たちがいるような状況なら、その人達でギフティングすることで撮影資金(交通費等)の調達ができたりする、ということもありえるわけです。まあそこまでするならしっかりしたプラットホームを用意する必要がありそうで、それこそ既存のクラウドファンディング支援会社を活用すればいいというふうにも考えられます。

 

吉と出るか凶と出るか

写真ACにおけるギフティングは、受ける対象が何者であるかという点が非常に大きい意味を持つと考えています。写真ACはクリエイターインタビューというコンテンツも用意しているし、新たな切り口での「成功者」を作りたいのかなとも思えます。

クリエイターとしてはこれまで以上に直接的なユーザーリクエストに応えていくことで投げ銭という新たな収入を得る機会に恵まれそうです。それがライブ配信のように過剰なエロチシズムを求めるような方向に進んでしまうと、今後の方向性が危ぶまれるところかと思います。どちらかといえば、依頼に対する報酬として投げ銭が機能することを期待します。