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写真AC:新機能「安全マーク」のお知らせと著作権譲渡の問題。

写真AC関連記事です。クリエイターログイン時に、新機能「安全マーク」が実装された旨が告知されるようになりました。安全マークを表示させることで素材のダウンロード率が上がります的な記述がありますが、この機能の本質はもちろんそこではありませんね。

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この機能の本当の意味は、著作権違反事例への確実な対応でしょう。現実問題、著作権違反は非常にまずい事案なので対応をとるのは当然です。ただ少し突き放した目線で考えると、この対応策は著作権違反事例を防止することに主眼があるわけではなく、トラブルが起きた時の責任の所在を確実にするために導入するものでしょう。要は違反クリエイターからちゃんと賠償金をせしめるための機能です。不法行為があれば賠償請求を行う法的根拠自体はあるでしょうが、より確実より堅実に効果を上げるために何重にもクリエイターの同意を得ているのでしょう。

もちろん違反がなければ問題ないのだから、自信のあるクリエイターは早々にボタンを押せばいいのですが、一度この機能を有効にするとキャンセルできないという、何だかいやらしい仕様。これまで違反していませんでしたが今日から違反しますよと宣言するクリエイターもいないでしょうから、まあいいんですけどね。

古い投稿素材を見ると、グレーどころかブラックな作品も散見されます。写真AC運営サイドとして、一枚一枚写真を確認して是正するのは難しい状況でしょうから、大きくフィルタリングするしかないのでしょう。良くも悪くも、普通のストックフォト化しつつあるようですね。

しかし写真ACに固有の問題がひとつあって、アップロードした写真の著作権は、利用規約上完全に譲渡した形になります。これはすべてのストックフォトに言えることではなく、むしろ普通は撮影者に権利が残ります著作権は全部もらうけど、責任は一切負わないよ、というのは随分虫のいい話ではないでしょうか。違法写真を自ら取り締まる責任すら放棄しているようなものです。

個人的に、会社が責任を負わないなら著作権も限定的なものにしないと釣り合わないように思います。あまりにも会社側が有利なので。この不整合を放置すると将来的に碌なことにならないと思いますね。